イソップ物語「95-二匹のカエル」


朗読「95-二匹のカエル.mp3」2 MB、長さ: 約 1分 45秒

(95)二匹にひきのカエル

 ぬまんでいるカエルと、そのぬまからすこはなれた往来おうらいんでいるカエルとが、いになりました。ところが、なにしろぬまほうは、カエルのきなみず沢山たくさんありますのにくらべて、往来おうらいほうは、あめるたびに、すこしの水溜みずたまりが出来できるくらいのものでした。
 そこで、ぬまのカエルは、この往来おうらいのカエルにむかいまして、
きみ是非ぜひともはやて、ぬまんだらどうだい。そうしたら、そのほうがどの位気持くらいきもちよくて、どの位愉快くらいゆかいだかしれないよ。それに、なによりもそばしずかで、まった安心あんしんだからね。」
ってすすめました。
 けれども、往来おうらいのカエルは、すすまないかおをしまして、
「ご親切しんせつはありがたいが、どうもれたところをはなれることは出来できないから、折角せっかくだけど、おことわりしましょう。」
と、って、きませんでした。
 ところが、その後五六日経あとごろくにちたちまして、その往来おうらいおも荷車にぐるまとおりましたが、そのときれいのカエルは、その荷車にぐるま車輪しゃりんしたにひかれて、ぎゅうのてずに、んでしまいました。