十五少年漂流記(31)

朗読「十五少年7-5.mp3」6 MB、長さ: 約 6分 31秒

十一月二十七日じゅういちがつにじゅうしちにち、このあさから黒雲こくうんめ、かみなりさえとどろいて、険悪けんあく天候てんこうだった。少年しょうねんたちははやくから洞穴ほらあなにこもって、るときをっていた。ところが、突然とつぜんあらしおそってきて、稲光いなびかりがすさまじくまどにひらめき、落雷らくらいおとやみをつんざいてごうごうとひびく。ドノバン、バクスターはしばしばのそばにってみたが、ひらくかひらかないうちに、電光でんこうられて、げてかえってきた。
十二時じゅうにじごろ、あらしすこおとろえ、雷鳴らいめいはおさまったかとおもうと、今度こんどあめが、ざざ、ざっとってた。少年しょうねんたちは安心あんしんして寝床ねどこはいろうとした。と、そのとき猟犬りょうけんフワンは、どうしたことか、ひどく興奮こうふんして、戸口とぐちって、しきりにてる。
「おや、フワンが、なにぎつけたらしいぞ」
そういうと、年長ねんちょう少年しょうねんたちは、防戦ぼうせん身構みがまえをした。ドノバンはうらに、モコーはおもてに、みみててうかがった。
なにこえるかね?」
「いや、なにも・・・」と、わらないうちに、突然響とつぜんひび一発いっぱつ銃声じゅうせい
一同いちどうはぎょっとして、かお見合みあわせた。ドノバン、バクスター、ウイルコクス、グロースの四人よにんは、はやくもけて、とりでかげひそめ、応戦おうせん用意よういにかかった。
と、突然とつぜんそとから、「たすけてくれ、たすけてくれーー」というこえこえてた。
ケイトは、はじめから戸口とぐちっていたが、そのこえくとともに、
「おお、あれはあのひとだ」とった。
だれですって?」ブリアンがいそいでたずねた。
「イバンスです。はやけてやってください!イバンスです!」
少年しょうねんたちはけてやった。
同時どうじ全身ぜんしんずぶれになった一人ひとりおとこんできた。それが、セベルンごう二等運転手にとううんてんしゅイバンスそのひとであった。少年しょうねんたちはあまりのこと意外いがいさに茫然ぼうぜんとしてイバンスを見守みまもった。
たところ、イバンスはとしのころまだ三十前さんじゅうまえ青年せいねんかたひろするどく、おとこらしい態度たいどで、しかも利口りこう正直しょうじきそうな顔付かおつきをしていた。かれはなかはいるとともに、戸口とぐちほうかえって、ひと追跡ついせきしていないのをたしかめたあと、ほっと安心あんしんしたらしかった。
そして、「なるほど、みんな子供達こどもたちばかりだな」
と、ひとごとにつぶやいた。同時どうじにケイトがそのなかにいるのをつけると、
「おお、あなた、ご無事ぶじでしたか?」と、よろこびのこえげた。
「そうです、イバンスさん!わたし無事ぶじたすけられました。この人達ひとたちにーーそして、神様かみさまに!」イバンスは少年しょうねんたちのかお見回みまわして、
「ああ、全体ぜんたい十五人じゅうごにんですな、そのなかに、たたかいのできるものは、あのひとと、あのひとと、都合五六人つごうごろくにんだけか」とつぶやいた。やがてブリアンが、
てきはやってますか?」とたずねると、イバンスは、
「いや、いますぐはないでしょう。それよりもなにものをもらえないだろうか」
で、少年しょうねんたちは、あぶにくや、かたパンや、ブランデーなどをそろえてイバンスにやった。それに元気げんきたイバンスは、やがて、少年達しょうねんたちむかって、かれがこのしま上陸じょうりくしてからのことを、かいつまんでかたりだした。
私達わたしたちのボートが、このしまちかくへながされてとき六名ろくめい一緒いっしょなみおそわれたのです。そしてやっときしくことはきましたが、ほかふねっていた二人ふたりは、どこへったのか、また、ケイトさんはどこへったか、皆目かいもくわかりませんでした。私達わたしたち浜辺はまべあがったのは、午後七八時頃ごごしちはちじごろだったでしょうか。浜辺はまべをさまよってボートを発見はっけんしたのは、十二時じゅうにじごろでした。それからんだとおもったフホーベスとバイクの二人ふたりを、そのふねちかくでつけたのです」
「そうです、そうです」ドノバンが突然とつぜんくちをはさんだ。「僕等ぼくらは、ちょうど、そのとき二人ふたりたのです。けど、あさってみると、もう二人ふたりはいなかった」
「そうでしょう」イバンスはうなずいて、「ワルストンたちは、それをると、二人ふたり介抱かいほうして、正気しょうきかえらせ、それからふねなか食料しょくりょう武器ぶきってて、それぞれ分配ぶんぱいしました。そのとき、ケイトさんのはなして、大方おおかたもうんだのだろうなどとうわさをしました」
「ところがわたしは、そのときふねそこにいたのです。そしてみんなのはなしをすっかりいたのです」
ケイト婦人ふじんは、そうって、イバンスをうながしてはなしつづけさせた。