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<今回の音声は。。。>
聊斎志異、連載39回目です。
今回は五巻から、
・紉鍼
・侠女
・丐僧
・廟鬼
・金姑夫
・夏雪以上6つの話を読ませていただきました。
聊斎志異39【読書ノート】
2021.11.17 書き込み
朗読は「声に出して読む読書」です。読書をしたらアウトプットをすると、作品に対する理解が深まり、より作品を楽しむことができるそうですよ。
武葉槌なりの「読書ノート」、お楽しみください。ネタバレも少しあると思いますので、情報を入れずに聞きたい方はご注意ください。
↓ 読書ノートを朗読した音声です。
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紉鍼
【あらすじ】
虞小思(ぐしょうし)は金持ちで、財産をうまく増やしながら暮らしていた。妻は夏氏といった。夏があるとき門の外で泣いているおばあさんと少女を見かける。
訳を聞いてみると借金があって娘が妾に取られそうになっているというのであった。かわいそうに思った夏は夫には内緒でいろいろと工面をするのだが…。
雷の威力、すごいですね~。二度も墓を壊すとは…。夏氏がすごくいい人ですね。全然見知らぬ他人にここまで親切にするのはびっくり。それに比べて実の父親の王さんときたら…。
いやもうこの家の不幸は、すべてこの王さんのダメっぷりから起きていると言っても過言ではないというくらい。
王さんはいい家柄のボンボンだったのでしょうね。一家の大黒柱が問題ばかり起こす人だと、家族は本当に大変です。
侠女
【あらすじ】
顧は秀才で優秀な人だったが、年を取った母親しかいなかったために家から離れることができなかった。ひどく貧乏で書や絵を書いてそれを売って暮らしていた。
向かいの家は空き家だったが、ある日引っ越してきたのはおばあさんと若い娘だった。男がいなかったので遠慮して顧は向かいの家に行かないようにしていた。
ある日、母の部屋から美しい女性が出て来るのを見た。聞くと隣の娘だという。娘を気に入った親子は嫁に欲しいと思うのだが…。
中国では「侠」という言葉には、弱い人やいい人を助けて悪者を懲らしめる人物の意味があるそうです。通常は戦闘能力が高い人を指し、ヒーローとの違いは、一匹狼で孤独を愛するところ。
確かにこの物語の娘も人を寄せ付けないところがあります。「美しいけれど霜か雪のように冷たい」と顧の母親も言っていますね。
この娘、十八九といいますが、いつ剣の修行をしたのか知らないけれどすごい強いですね。短い期間で強くなったということは、もともと才能があったのかもしれません。
丐僧
【あらすじ】
済南にみすぼらしい姿をした僧侶がいた。毎日大きな旅館の前で経を読み、托鉢をするのだが、食べ物やお金を渡してもどうしても受け取らなかった。
タイトルの「丐」は「ものをもらいたがる」との意味です。「丐僧」は「托鉢をする僧侶」とでも訳すといいのかもしれません。
例によって謎は謎のまま、投げっぱなしのまま終わります。このお坊さんは何がしたかったのか、どうしてこんな行動をとったのか、さっぱり分からないままです。
何かのお告げでもあって、修行の一つとしてやっていたのか、托鉢に行っていた旅館と何か因縁があったのか…。ヒントも何もないのであれこれ想像するしかないですね。
廟鬼
【あらすじ】
王という秀才の家に色の黒い太った女が入って来て、王を誘った。王がこの女をはねつけると、女は怒ってさまざまな方法で王を殺そうとする…。
この女が美しいスラっとした女性だったらどうなったんでしょうね。今度は取り憑かれて生気を吸い取られていたんでしょうか。いずれにせよ幸福にはなれそうもありません。
おかしなものに気に入られるもんじゃないですね。狐にしろ鬼にしろ、幽霊にしろ、取り憑かれた人の多くは、弱って最後には命が取られてしまいます。
後半に出て来る武士も、もしかしたら人間じゃないのかもしれませんね。
金姑夫
【あらすじ】
結婚をする前に許嫁が死んでしまい、貞節を守って三十歳で死んだ梅姑(ばいこ)を祀った祠があった。ある年、金という秀才がこの祠を訪れると、夜になって夢に梅姑が現れて…。
タイトルの「金姑夫」は「金の妻」の意味があります。貞節なことで神様となった女性が好きになるくらいですから、金さんはよっぽどイケメンだったのかもしれません。
しかし権力のある女が、若いイケメンを無理やり手に入れるのはちょっといただけません。しかも奥さんのいる男性ですから、奥さんにしたら本当に腹が立ったでしょう。
夏雪
【あらすじ】
ある年の夏に、蘇州に雪が降った。民が慌てて大王廟にお参りをすると…。
おせじが好きなのは人も神もそれほど変わらないとの聊斎先生のお言葉。当時からもうずいぶん経ちましたが、人間はそれほど進化していないのか、現在でも人間の本性は変わりません。
会社などでもうまくお世辞を使って出世する人がいますね。これも一つの才能なのでしょうが、そういう人が上に上がると部下が迷惑します。これも昔も今も同じかもしれません。
「聊斎志異」について
「wikipedia」より
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聊齋は蒲松齢の号および書斎の名である。
『聊齋志異』とは「聊齋が異を志す」の意味。
内容は神仙、幽霊、妖狐等にまつわる怪異譚。
当時世間に口伝されていたものを収集して文言小説の形にまとめたものである。
作者の没後約半世紀を経て刻本として上梓された。
版本によって異同があるが、およそ500篇の作品を収録している。
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蒲松齢 作
柴田天馬 訳
昭和30年、角川書店発行、「完訳 聊斎志異」全八巻を一巻から順番に読ませていただいています。
差別的な表現などは言い換えたり、飛ばしても意味の通るものは飛ばしてよんでいます。あらかじめご了承ください。